上の句 | 下の句 | 作者 | |
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1 | 嘆けとて 月やはものを 思はする | かこち顔なる わが涙かな | 西行法師 |
2 | 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに | 焼くや藻塩の 身もこがれつつ | 権中納言定家 |
3 | もろともに あはれと思へ 山桜 | 花より外に 知る人もなし | 前大僧正行尊 |
4 | 音に聞く 高師の浜の あだ浪は | かけじや袖の ぬれもこそすれ | 祐子内親王家紀伊 |
5 | 高砂の 尾上の桜 咲きにけり | 外山の霞 立たずもあらなむ | 前中納言匡房 |
6 | 長からむ 心も知らず 黒髪の | 乱れて今朝は ものをこそ思へ | 待賢門院堀川 |
7 | かくとだに えやはいぶきの さしも草 | さしも知らじな 燃ゆる思ひを | 藤原実方朝臣 |
8 | 有馬山 猪名の笹原 風吹けば | いでそよ人を 忘れやはする | 大弐三位 |
9 | 恨み侘び 干さぬ袖だに あるものを | 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ | 相模 |
10 | 誰をかも 知る人にせむ 高砂の | 松も昔の 友ならなくに | 藤原興風 |
11 | しのぶれど 色に出でにけり わが恋は | 物や思ふと 人の問ふまで | 平兼盛 |
12 | 風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ | くだけて物を 思ふころかな | 源重之 |
13 | 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる | まつとし聞かば 今帰り来む | 中納言行平 |
14 | 吹くからに 秋の草木の しをるれば | むべ山風を 嵐といふらむ | 文屋康秀 |
15 | 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける | 人目も草も かれぬと思へば | 源宗于朝臣 |
16 | 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ | わが衣手は 露にぬれつつ | 天智天皇 |
17 | 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の | 富士の高嶺に 雪は降りつつ | 山部赤人 |
18 | 筑波嶺の 峰より落つる 男女川 | 恋ぞつもりて 淵となりぬる | 陽成院 |
19 | 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る | 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる | 皇太后宮太夫俊成 |
20 | 永らへば またこの頃や しのばれむ | 憂しと見し世ぞ 今は恋しき | 藤原清輔朝臣 |