五色百人一首一覧表~橙色の札
| 上の句 | 下の句 | 作者 |
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1 | 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら | なほ恨めしき 朝ぼらけかな | 藤原道信朝臣 |
2 | 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶え絶えに | あらはれ渡る 瀬々のあじろぎ | 権中納言定頼 |
3 | 哀れとも いふべき人は 思ほえで | 身のいたづらに なりぬべきかな | 謙徳公 |
4 | 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば | 昔は物を 思はざりけり | 権中納言敦忠 |
5 | 逢ふ事の 絶えてしなくば なかなかに | 人をも身をも 恨みざらまし | 中納言朝忠 |
6 | あらざらむ この世の外の 思ひ出に | 今一度の 逢ふ事もがな | 和泉式部 |
7 | 今来むと いひしばかりに 長月の | 有明の月を 待ち出でつるかな | 素性法師 |
8 | 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを | 人づてならで いふよしもがな | 左京大夫道雅 |
9 | 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の | われても末に 逢はむとぞ思ふ | 崇徳院 |
10 | なげきつつ 独り寝る夜の 明る間は | いかに久しき ものとかは知る | 右大将道綱母 |
11 | 名にしおはば 逢坂山の さねかづら | 人に知られで くるよしもがな | 三条右大臣 |
12 | 難波江の 蘆のかり寝の ひと夜ゆゑ | 身を尽くしてや 恋ひわたるべき | 皇嘉門院別当 |
13 | 難波がた 短き蘆の ふしの間も | 逢はでこの世を すぐしてよとや | 伊勢 |
14 | 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に | かひなく立たむ 名こそ惜しけれ | 周防内侍 |
15 | 人も惜し 人も恨めし 味気なく | 世を思ふ故に 物思ふ身は | 後鳥羽院 |
16 | 御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え | 昼は消えつつ 物をこそ思へ | 大中臣能宣朝臣 |
17 | みかの原 わきて流るる 泉川 | いつみきとてか 恋しかるらむ | 中納言兼輔 |
18 | 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも | ぬれにぞぬれし 色は変はらず | 殷富門院大輔 |
19 | おほけなく 浮世の民に おほふかな | わがたつ杣に 墨染めの袖 | 前大僧正慈円 |
20 | 風そよぐ 奈良の小川の 夕暮れは | みそぎぞ夏の しるしなりける | 従二位家隆 |